神戸地方裁判所 昭和50年(わ)666号 判決
本籍
兵庫県加古川市尾上町養田三六九番地
住居
神戸市東灘区本山南町二丁目九番一〇号
会社役員
大北照雄
大正一五年一月一二日生
所得税法違反被告事件
検察官広田
勇出席
主文
被告人を懲役一年及び罰金八五〇万円に処する。
被告人において右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、神戸市東灘区本山南町二丁目九番一〇号において学習塾「甲南学習院」を経営していたものであるが(昭和五〇年六月二七日から「株式会社関西教育コンサルタント」と組織変更して代表取締役に就任)、自己の所得税を免れようと企て、
第一 昭和四七年分の実際の所得金額は、二、六〇四万八、八一二円、これに対する所得税額は、一、一八五万六、四〇〇円であるのにかかわらず、収入金の一部を除外して得た資金を架空名義の預金とするなどの不正手段により所得の一部を秘匿したうえ、同四八年三月一四日、所轄兵庫県芦屋市公光町所在の芦屋税務署において、同署長に対し、所得金額が三三九万八、一六九円、これに対する所得税額が四五万一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税一、一四〇万六、三〇〇円を免れ
第二 昭和四八年分の実際の所得金額は、四、一九二万八、八八四円、これに対する所得税額は、二、一四一万八〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同四九年三月一五日、同税務署において、同署長に対し、所得金額が七三一万四、二〇〇円、これに対する所得税額が一七五万四、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税一、九六五万六、八〇〇円を免れ
第三 昭和四九年分の実際の所得金額は、六、〇九六万二六四円、これに対する所得税額は三、二三三万四、二〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同五〇年三月一五日、同税務署において、同署長に対し、所得金額が一、一一三万七、二八三円、これに対する所得税額が二八七万七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税二、九四六、万三、五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
検察官請求証拠目録(一)1ないし92(二)2ないし15の各証拠ならびに第二、第三回公判調書中の被告人の供述部分及び被告人の当公判廷における供述
(法令の適用)
判示所為
第一ないし第三につきいずれも所得税法二三八条(罰金併科)
併合罪
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条
労役場留置
刑法一八条
懲役刑の執行猶予
刑法二五条一項
(裁判官 高橋通延)